語呂合わせのほうが一段落ついたので、過去問等を参考に危険物取扱者試験の本試験を意識して作成した実践問題と解説を提供していきます。試験対策として、知識の確認や引っ掛けパターンの把握などにご活用ください。[解答の表示/非表示]をクリックすると解答・解説の表示/非表示を切り替えることができます。
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問題1(危険物の分類と品名)
法に定める各類の危険物の性質、品名について、次のA~Fの記述のうち誤っているものの組み合わせとして正しいものはどれか。
A 第1類の危険物は酸化性固体で、塩素酸塩類、無機過酸化物等がある。
B 第2類の危険物は可燃性固体で、硫黄、黄りん等がある。
C 第3類の危険物は自然発火性物質及び禁水性物質で、カリウム、アルキルアルミニウム等がある。
D 第4類の危険物は引火性液体で、ジエチルエーテル、ガソリン等がある。
E 第5類の危険物は自己反応性物質で、過酸化水素、ニトロベンゼン等がある。
F 第6類の危険物は酸化性液体で、硝酸エステル類、ハロゲン間化合物等がある。
1 (A・B・D)
2 (B・D・E)
3 (B・E・F)
4 (C・D・F)
5 (C・E・F)
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解答
正解は3です。
Aは記述の通りです。
Bの記述は「黄りん」が誤りです。第2類に該当するのは「赤りん」で、黄りんは第3類です。
Cは記述の通りです。
Dも記述の通りです。
Eは「過酸化水素」「ニトロベンゼン」が誤りです。第5類の「有機過酸化物」には過酸化ベンゾイル、過酢酸などがありますが、過酸化水素は有機過酸化物ではなく、第6類に属します。ニトロベンゼンは学術上は「ニトロ化合物」と呼んで間違いではありませんが、消防法上は第5類の「ニトロ化合物」には含まれず、第4類の第3石油類に属します。
Fは「硝酸エステル類」が誤りです。第6類に属するのは「硝酸」であり、硝酸エステル類は第5類です。
よって、誤っている記述の組合せはB・E・Fとなり、「3」が正解となります。
危険物取扱者試験では、名前が似ているが性質や分類が異なる「似て非なるもの」がたくさん出てきますので、混同しないようにしましょう。赤りん(第2類)と黄りん(第3類)はベタ中のベタですが、それ以外にも以下のようなものに要注意です。
- 過塩素酸塩類(第1類)と過塩素酸(第6類)
- 硝酸塩類(第1類)と硝酸エステル類(第5類)と硝酸(第6類)
- 無機過酸化物(第1類)と有機過酸化物(第5類)と過酸化水素(第6類)
- ニトロベンゼン(第4類の第3石油類)とトリニトロトルエン(第5類のニトロ化合物)とニトログリセリン・ニトロセルロース(第5類・硝酸エステル類)
- メチルエチルケトン(第4類の第1石油類)とメチルエチルケトンパーオキサイド(第5類の有機過酸化物)
- 酢酸(第4類の第2石油類)と酢酸エチル(第4類の第1石油類)と過酢酸(第5類の有機過酸化物)
問題2(第4類危険物)
法別表第1に掲げる第4類の危険物に該当しないものを1つ選べ。
1 特殊引火物
2 第1石油類
3 引火性固体
4 アルコール類
5 動植物油類
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解答
正解は3です。
第4類は「引火性液体」です。同じ「引火性」でも固体は含まれません。引火性固体は第2類の可燃性固体に属します。
問題3(危険物の品名)
次のA~Eのうち、法別表第1に危険物の品名として掲げられているものの組み合わせとして正しいものはどれか。
A プロパン
B 過塩素酸
C カリウム
D 水素
E 硫黄
1 (A・B・C) 2 (A・B・D) 3 (B・C・D) 3 (B・C・E) 4 (C・D・E)
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解答
正解は3です。
消防法上の危険物は「固体または液体」であり、常温常圧で気体のものは含まれません。プロパンも水素も可燃性で爆発の危険がありますが、気体なので消防法上の危険物ではありません。よってAとDを除いたB・C・Eが危険物の組み合わせとなり、3が正解となります。
この種の問題はおおむね気体を除外することで正解を導けるようになっているようです。メタン、アセチレンなども常温常圧で気体ですから消防法上の危険物にはなりえません。
問題4(金属粉の範囲)
法別表第1の備考には、危険物として規制される金属粉の範囲について明記されているが、次のうち金属粉に該当するものの組合せとして正しいものはどれか。ただし、いずれも目開きが150μmの網ふるいを通過するものが50%以上のものとする
A 亜鉛粉
B ニッケル粉
C アルミニウム粉
D 銅粉
E 鉄粉
F マグネシウム粉
1 A・C
2 A・E
3 B・D
4 B・F
5 C・E
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解答
正解は1です。
消防法が定義する金属粉とは、
「アルカリ金属・アルカリ土類金属・鉄・マグネシウム以外の金属の粉のうち
- 銅粉
- ニッケル粉
- 目開きが150μmの網ふるいを通過するものが50%未満もの
を除いたもの」(法別表備考第 5 号)
ですので、B・D・E・Fは除外され、残るA・Cが正しい組み合わせとなります。
実際上、試験では「金属粉といえば亜鉛粉とアルミニウム粉のこと」だと考えてしまってもかまわないのですが、上記の定義自体の内容も問われる可能性もあるので、「銅とニッケルは除く」「目開き150μm」というのも覚えておく必要があります。
なお、銅粉とニッケル粉を除く理由は「現在工業的に生産されている最小粒径のものについても可燃性固体の性状を有しないことが明らかであると考えられる」(平成元年3 月1日 消防危第 14 号・消防特第34号 各都道府県知事あて 消防庁次長通知)というものです。
問題5(アルコール類の定義)
法令上のアルコール類の定義について、次の文のA・Bに当てはまる語句の組み合わせとして正しいものを答えよ
「アルコール類とは、1分子を構成する炭素原子の数が(A)までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)をいうが、その含有量が(B)%未満の水溶液は除く」
1 A:2 B:60
2 A:2 B:70
3 A:3 B:60
4 A:3 B:70
5 A:4 B:70
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解答
正解は3です。
消防法の定義するアルコール類とは「1分子を構成する炭素原子の数が3までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)をいうが、その含有量が60%未満の水溶液は除く」となります。「飽和」というのは炭素骨格に二重結合・三重結合を持たないこと、「1価アルコール」とは、ヒドロキシル基(-OH)を1つだけ持つアルコールのことです。この定義により、学術上はアルコールに属する物質でも、消防法上の「アルコール類」には該当しないものが存在することになります。n-ブチルアルコール(1-ブタノール 第4類の第2石油類)は炭素数が4で3を超えているため、エチレングリコールとグリセリン(第4類の第3石油類)はそれぞれ2価と3価のアルコールであるため、消防法上のアルコール類には属しません。
結果的に、法令上のアルコール類はメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールに限られることになります。
医薬品や医薬部外品の消毒用エタノールはおおむね77~81vol%(容積パーセント)に調製されています。エタノールの消毒効果が最も高まるのがこの濃度だからですが、これを重量パーセントに変換すると70~75wt%くらいになり、60wt%以上ですので、消防法上のアルコール類、すなわち危険物ということになります。実際、それらには危険物表示がなされています。
一方、スーパーの日用品売り場などで売られているキッチン用アルコール除菌スプレーにはエタノール濃度が明記されていないものも多いのですが、危険物の表示がされていませんので、60wt%未満ということになります
問題6(第4類危険物の分類)
法令上、第4類危険物に関する記述として、誤っているものを2つ選べ
1 第1石油類とは、ガソリン、アセトンのほか、温度20℃のとき液状であって発火点が100℃以下のもの、又は引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下のものをいう
2 第2石油類とは、灯油及び軽油のほか、温度20℃のとき液状であって引火点が-20℃以上70℃未満のものをいう
3 第3石油類とは、重油及びクレオソート油のほか、温度20℃のとき液状であって、引火点が70℃以上200℃未満のものをいう
4 第4石油類とは、ギヤー油、シリンダー油のほか、温度20℃のとき液状であって、引火点が200℃以上250℃未満のものをいう
5 動植物油とは、動物の脂肉又は植物の種子、もしくは果肉から抽出したものであって、1気圧において引火点が250℃未満のものをいう
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解答
正解は1と2です。
1 「発火点が100℃以下のもの・・・・」以下の説明が特殊引火物の説明になっています。正しくは「引火点が21℃未満のものをいう」となります。
2 正しくは「引火点が21℃以上70℃未満」となります。
3~5はその通りです。
なお、「温度20℃のとき液状」というのは「常温で液体」というのと同じなので、第4類危険物(引火性液体)に共通です。
問題7(指定数量)
危険物の指定数量について、法令上、正しい記述を1つ選べ
1 液体の危険物の指定数量はすべてリットルで定められている
2 特殊引火物の指定数量は、水溶性と非水溶性では異なる
3 品名および性質が同じでも指定数量が異なるものもある
4 指定数量の5分の1以上で指定数量未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合は市町村条例で規制されている
5 指定数量以上の危険物に関しては都道府県条例で規制されている
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解答
正解は4です。
1 誤り。リットルで定められているのは第4類引火性液体のみで、第6類や第5類の液体はkgで定められています。
2 誤り。特殊引火物の指定数量は水溶性・非水溶性の区分がありません。水溶性・非水溶性の区別があるのは第1~第3石油類のみです。
3 誤り。品名・性質が同じなら指定数量は同じです。
4 正しい
5 誤り 指定数量以上の危険物は消防法で、指定数量の5分の1以上から指定数量未満の危険物(少量危険物)は市町村条例で規制されます。ただし指定数量未満でも運搬については消防法の規制を受けます。
問題8(指定数量の倍数計算)
以下の危険物を貯蔵している屋内貯蔵所は、指定数量の何倍の危険物を貯蔵していることになるか
・アセトアルデヒド:200L
・ガソリン:800L
・灯油:5000L
・重油:4000L
・ギヤー油:9000L
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解答
正解は16.5倍です。
複数の種類の危険物を貯蔵・取扱している施設(製造所等)の倍数は、物質ごとに指定数量の倍数を求め、それをすべて合計したものが、その施設の倍数となります。
- アセトアルデヒド:特殊引火物。指定数量50L→4倍
- ガソリン:第1石油類・非水溶。指定数量200L→4倍
- 灯油:第2石油類・非水溶。指定数量1000L→5倍
- 重油:第3石油類・非水溶。指定数量2000L→2倍
- ギヤー油:第4石油類。指定数量6000L→1.5倍
よって、4+4+5+2+1.5=16.5倍となります。
指定数量の問題は、とにかく指定数量を覚えているかどうか、それに尽きます。第4類の指定数量は語呂合わせで覚えてしまいましょう。
問題9(指定数量の倍数計算)
以下の品名・量の危険物を貯蔵する貯蔵所のうち、指定数量の倍数が最も大きいものを選べ。
1 ジエチルエーテル:200L トルエン:400L
2 ベンゼン:1000L クレオソート油:2000L
3 ギヤー油:6000L 重油:4000L
4 エタノール:2000L キシレン:2000L
5 1-プロパノール:1000L 1-ブタノール:2000L
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解答
正解は4です。
1 ジエチルエーテル(特殊引火物、指定数量50L)は200L÷50L=4倍、トルエン(第1石油類・非水溶、指定数量200L)は400L÷200L=2倍。よって合計は4+2=6倍
2 ベンゼン(第1石油類・非水溶、指定数量200L)は1000L÷200L=5倍、クレオソート油(第3石油類・非水溶、指定数量2000L)は2000L÷2000L=1倍。よって合計は5+1=6倍
3 ギヤー油(第4石油類、指定数量6000L)は6000L÷6000L=1倍、重油(第3石油類・非水溶、指定数量2000L)は4000L÷2000L=2倍。よって合計は1倍+2倍=3倍
4 エタノール(アルコール類、指定数量400L)は2000L÷400L=5倍、キシレン(第2石油類・非水溶、指定数量1000L)は2000L÷1000L=2倍。よって合計は5+2=7倍
5 1-プロパノール(アルコール類、指定数量400L)は1000L÷400L=2.5倍、1-ブタノール(第2石油類・非水溶、指定数量1000L)は2000L÷1000L=2倍。よって合計は2.5倍+2倍=4.5倍
以上より、4の7倍が最も大きい倍数となります。
問題10(指定数量の倍数計算)
以下の危険物を同一の製造所で貯蔵し取り扱う場合、指定数量の何倍になるか
黄りん:80㎏
過塩素酸:1500㎏
固形アルコール:5000㎏
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解答
正解は14倍です。
黄りん(第3類、指定数量20㎏)が80kg÷20㎏=4倍、過塩素酸(第6類、指定数量300㎏)が1500㎏÷300㎏=5倍、固形アルコール(第2類、指定数量1000㎏)が5倍。よって4+5+5=14倍です。
問題11(製造所等の区分)
法令に定める製造所等の区分の説明として、誤っているものを1つ選べ。
1 屋内貯蔵所:屋内の場所において危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所
2 移動タンク貯蔵所:鉄道及び車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所
3 給油取扱所:固定した給油施設によって自動車などの燃料タンクに直接給油するための危険物を取り扱う取扱所
4 屋外タンク貯蔵所:屋外にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所
5 第1種販売取扱所:店舗において容器入りのままで販売するため指定数量の15倍以下の危険物を取り扱う取扱所
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解答
正解は2です。
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)のタンクは「車両に固定されたタンク」であり、「鉄道」は含みません。頻用される引っかけのようですので注意しましょう。集中して読んでいないとうっかり読み流してしまいそうですが、こんなしょぼい引っかけで1問落としてしまったら泣くに泣けません。
問題12(製造所等における品目・数量の制限)
法令上、指定数量の倍数が50のガソリンを貯蔵し、又は取り扱うことができない製造所等の組み合わせとして正しいものを1つ選べ。
1 屋外貯蔵所 屋外タンク貯蔵所
2 屋外貯蔵所 販売取扱所
3 移動タンク貯蔵所 販売取扱所
4 移動タンク貯蔵所 屋外タンク貯蔵所
5 屋外タンク貯蔵所 一般取扱所
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解答
正解は2です。「貯蔵・取扱ができない」ものを選ぶことに注意してください。
屋外貯蔵所が貯蔵できるのは、硫黄と引火性固体(引火点0℃以上)、特殊引火物・引火点0℃未満の第1石油類を除く第4類危険物のみで、ガソリン(第1石油類、引火点-40℃)を貯蔵することはできません。なお、引火点0℃以上の第1石油類としてはトルエン、ピリジンがあります。
また、販売取扱所は第1種が指定数量の15倍まで、第2種が40倍までの危険物しか取り扱えないので、ガソリンに限らず指定数量の倍数が50の危険物は取り扱えません。よって、屋外貯蔵所と販売取扱所の組み合わせの2が正解です。
屋外タンク貯蔵所には、「指定数量の倍数が40倍以下、または第4類(第4石油類・動植物油類を除く)は20,000L以下」という制限がありますが、ガソリンの指定数量の50倍は200L×50=10,000Lですので20,000L未満であり、貯蔵できます。
移動タンク貯蔵所には「30,000L以下」という制限がありますが、上述のとおり、今回のガソリンは10,000Lですので、貯蔵できます。
問題13(製造所等の区分)
法令に定める製造所等の区分の説明として、正しいものを1つ選べ。
1 屋内貯蔵所は、屋内にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所をいう。
2 一般取扱所とは、給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所以外の危険物の取り扱いをする取扱所をいう。
3 屋外貯蔵所は、屋外にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し又は取り扱う貯蔵所をいう。
4 第2種販売取扱所は、店舗において容器入りのままで販売するための危険物を取り扱うもので、指定数量の倍数が15倍以下の取扱所をいう。
5 地下タンク貯蔵所は、建築物の地階に設けられているタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所をいう。
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解答
正解は2です。
1 誤り。屋内タンク貯蔵所の説明です。
2 正しい説明です。燃料として大量の重油等を使用するボイラー施設や大量の潤滑油を扱う工場などが一般取扱所にあたります。
3 誤り。屋外貯蔵所ではなく、屋外タンク貯蔵所の説明です。
4 誤り。第2種販売取扱所は指定数量の倍数が40倍以下です。
5 建築物の「地階」ではなく、「地盤面下に埋設」されているタンクです。
問題14(予防規程)
法令上、予防規程に定めなければならない事項として、正しいものを1つ選べ。
1 危険物の保安に関する業務を管理する者の職務および給与に関すること
2 危険物取扱者が、旅行、疾病その他の事故によってその職務を行うことができない場合にその職務を代行する者に関すること
3 製造所等の補修等の費用に関すること
4 化学消防自動車の設置その他自衛の消防組織に関すること
5 地震が発生した場合および地震に伴う津波が発生し、または発生するおそれがある場合における避難場所及び避難経路に関すること
[解答の表示/非表示]
解答
正解は4です。
1 「給与」が誤りです。正しくは「組織」です。
2 「危険物取扱者」が誤りです。正しくは「危険物保安監督者」です。
3 「費用」が誤りです。正しくは「方法」です。
4 記述の通りです。
5 「避難場所及び避難経路」が誤りです。正しくは「施設及び設備に対する点検、応急措置等」です。
予防規定に定めなければならない事項は、規則第60条の2に定められており、以下の通りです。
- 危険物の保安に関する業務を管理する者の職務および組織に関すること
- 危険物保安監督者が、旅行、疾病その他の事故によってその職務を行うことができない場合にその職務を代行する者に関すること
- 化学消防自動車の設置その他自衛の消防組織に関すること
- 危険物の保安に係る作業に従事する者に対する保安教育に関すること
- 危険物の保安のための巡視、点検および検査に関すること
- 危険物施設の運転または操作に関すること
- 危険物の取扱い作業の基準に関すること
- 補修等の方法に関すること
- 災害その他の非常の場合に取るべき措置に関すること
- 地震が発生した場合および地震に伴う津波が発生し、または発生するおそれがある場合における施設及び設備に対する点検、応急措置等に関すること
- 危険物の保安に関する記録に関すること
- 製造所等の位置、構造および設備を明示した書類および図面の整備に関すること
- 製造所及び一般取扱所においては、危険物の取扱工程又は設備等の変更に伴う危険要因の把握及び当該危険要因に対する対策に関すること
問題15(屋外貯蔵所で貯蔵できない危険物)
次のうち、法令上、屋外貯蔵所で貯蔵し、又は取り扱うことができない危険物はいくつあるか
鉄粉 三硫化リン 灯油 硫黄 重油 引火性固体(引火点が0℃以上のもの) エチルアルコール 酸化プロピレン アセトン
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
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解答
正解は4です。
選択肢のうち屋外貯蔵所で取り扱えないものは、鉄粉・三硫化リン(硫黄・引火性固体を除く第2類)、酸化プロピレン(特殊引火物)、アセトン(第1石油類で引火点が0℃未満)の4つです。
屋外貯蔵所において貯蔵できる危険物は
「第2類の危険物のうち硫黄、硫黄のみを含有するもの若しくは引火性固体(引火点が0℃以上のものに限る)または第4類のうち第1石油類(引火点が0℃以上のものに限る)、アルコール類、第2石油類、第3石油類、第4石油類若しくは動植物油類」です。この定義は覚えるしかありません。語呂合わせはこちら⇒「
屋外貯蔵所で貯蔵できる危険物」
問題16(予防規程)
予防規程についての記述で、次のうち正しいものを1つ選べ。
1 危険物保安統括管理者と危険物保安監督者は、予防規程を定め、市長村長等の認可を受けなければならない
2 予防規程の内容は、危険物の貯蔵、取扱いの技術上の基準に適合していなければならない
3 予防規程を変更したときは市町村長等に届け出なければならない
4 予防規程には、火災発生時における給水維持のため、公共水道の制御弁開閉に関することを定めなければならない
5 製造所等の所有者及び従業者は、予防規程に定められている内容を守るよう努めなければならない
[解答の表示/非表示]
解答
正解は2です。
1 予防規定を定める義務は、危険物保安統括管理者や危険物保安監督者ではなく、製造所等の所有者等にあります。
2 記述の通りです。
3 届出ではなく、市長村長等の「認可」を受けなければなりません。
4 予防規程に定めなければならない事項にこのようなものはありません。そもそも火災時だからといって公共水道の制御弁を開閉する権限は一事業者にはありません。
5 「守るよう努めなければならない」が誤りで、正しくは「守らなければならない」です。前者は「努力義務」、後者は「義務」で、この両者は法律の世界では似て非なるものです。「義務」の場合は、やらなければ違法です(罰則の対象かどうかはまた別ですが)が、「努力義務」の場合は、やらなくても違法ではありません。「努力はしたけどできませんでした」という言い訳が許されるのが「努力義務」です。
問題17(保有空地)
法令上、製造所等の建築物の周囲に保有しなければならない一定の空地(以下「保有空地」という)について、次のうち正しいものはどれか。ただし、特例基準を適用する場合を除く。
1 製造所等の種類が同じであれば、貯蔵し、又は取り扱う危険物の指定数量の倍数によらず、保有空地の幅は一定である
2 貯蔵し、又は取り扱う危険物の品名によって、保有空地の幅は定められている
3 屋内タンク貯蔵所は、保有空地を必要とする
4 屋内貯蔵所は、保有空地を必要とする
5 給油取扱所は、保有空地を必要とする
[解答の表示/非表示]
解答
正解は4です。
1 指定数量の倍数によって保有空地の幅は異なります。製造所・一般取扱所は10倍以下が3m、10倍超が5m。屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所も倍数によって幅が定められます。屋内貯蔵所は倍数と耐火構造の有無とで幅が決まります。また、移送取扱所は配管に係る最大常用圧力によって幅が異なります。
2 取り扱う品名は保有空地の幅と関係ありません。
3・5 屋内タンク貯蔵所・給油取扱所は保有空地不要。
4 記述の通りです。
問題18(消火設備)
法令上、消火設備について誤っているものを次のうちから1つ選べ。
1 屋内消火栓設備は、第1種消火設備である
2 泡消火設備は、第2種消火設備である
3 消火粉末を放射する大型消火器は、第4種消火設備である
4 電気設備に対する消火設備は、電気設備のある場所の面積100㎡ごとに1個以上設ける
5 地下タンク貯蔵所には、第5種の消火設備を2個以上設ける
[解答の表示/非表示]
解答
正解は2です。
1・3・4・5 記述の通りです。
2 第2種消火設備はスプリンクラーです。泡消火設備は第3種の特殊消火設備にあたります。
消火設備の種類は以下の通りです。
- 第1種:屋内・屋外消火栓設備
- 第2種:スプリンクラー
- 第3種:特殊消火設備
- 第4種:大型消火器
- 第5種:小型消火器、水槽、乾燥砂、水バケツ、膨張真珠岩、膨張ひる石
問題19(屋外貯蔵タンクの防油堤)
法令上、屋外貯蔵タンクの防油堤の基準について正しいものを1つ選べ。
1 防油堤の高さは、1m以上とすること
2 防油堤内の面積は10万㎡以下とすること
3 防油堤の容量は、タンク容量の110%以上とすること
4 一つの防油堤内に2以上のタンクがある場合は、合計タンク容量の110%以上とすること
5 防油堤は、周囲が構内道路に接するように設けてはならない
[解答の表示/非表示]
解答
正解は3です。
1 高さは「1m以上」ではなく「0.5m以上」です。なお、高さ1m以上の場合は、おおむね30mごとに堤内に出入りするための階段を設けるか、土砂などを盛り立てることが必要になります。
2 堤内の面積は「10万㎡以下」ではなく「8万㎡以下」です。
3 記述の通りです。
4 「合計タンク容量」ではなく「最大であるタンクの容量」の110%以上です。間違いやすい点、つまり試験で狙われやすい点なので注意して覚えておきましょう。
5 正しくは問題文の反対で「周囲が構内道路に接するように設けなければならない」です。構内道路に接していないと、火災時の消火活動などに支障が出ます。
防油堤は屋外タンク貯蔵所に特徴的な設備ということもあり、試験で狙われやすいポイントです。以下についても一応頭に入れておきましょう。
- 例外として、二硫化炭素は防油堤を設けなくてもよい(水より重く、水に溶けないため、鉄筋コンクリートの水槽に入れて水没させて貯蔵する)
- 防油堤は、鉄筋コンクリート又は土で造り、危険物が流出しない構造とすること
- 堤内に溜まった水を外部に排水するため、開閉する弁を防油堤外部に備えた水抜口を設けること(通常は閉鎖し、水を抜くときだけ開く)
- 防油堤を貫通して配管を設けないこと(ただし、防油堤等に損傷を与えないよう必要な措置を講じた場合は、この限りでない)
問題20(製造所等の変更の手続き)
法令上、製造所等の位置、構造又は設備を変更する場合の手続きについて正しいものを1つ選べ
1 変更計画書について市長村長等の認可を受けてから変更の工事に着手する
2 市町村長等の許可を受けてから変更の工事に着手する
3 変更の工事をしようとする日の10日前までに、市町村長等に届け出る
4 変更の工事に着手した後、市町村長等にその旨を届け出る
5 変更の工事に係る部分が完成した後、直ちに市町村長等の許可を受ける
[解答の表示/非表示]
解答
正解は2です。
1 計画書の認可ではなく、変更の許可が必要です。
2 記述の通りです。
3~5 「工事に着手する前」に、「市長村長等」から「許可」を受けなければいけません。
問題21(製造所等の設置の手続き)
法令上、第4類危険物の屋外タンク貯蔵所を設置する場合の手続きの流れとして正しいものを選べ
1 設置許可申請→許可→工事開始→完成検査前検査→工事完成→完成検査申請→完成検査→完成検査済証交付→使用開始
2 工事着工前審査→承認→工事開始→工事完成→完成検査申請→完成検査→完成検査済証交付→使用開始
3 設置届提出→工事開始→工事完成→完成検査申請→完成検査→完成検査済証交付→使用開始
4 設置許可申請→許可→工事開始→工事完成→完成検査申請→完成検査→使用開始→完成検査済証交付
5 工事計画書提出→認可→工事開始→工事完成→完成検査申請→完成検査→完成検査済証交付→使用開始
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解答
正解は1です。
市長村長等の設置の許可を得てから工事に着手するので、1と4以外は最初の段階で間違いです。
そして、この設問の屋外タンク貯蔵所は第4類危険物、つまり引火性液体を貯蔵します。液体を貯蔵するタンクの場合は、工事の工程ごとに「完成検査前検査」が必要なので、1のみが正しいことになります。
この問題は、「第4類危険物」とわざわざ特定してあるのを見逃さず、その意図を読み取れるかどうかが肝です。
問題22(製造所等の手続き)
製造所等の手続きについて、法令上正しいもののみの組み合わせはどれか
① 危険物の品名は変更せず、数量と指定数量の倍数のみを変更する場合は、市長村長等に遅滞なく届け出る
② 危険物の品名、数量または指定数量の倍数を変更しないで、屋内タンク貯蔵所の位置、構造または設備を変更する場合は許可の手続きが必要である
③ 製造所等の譲渡または引き渡しの届出は、許可を受けた者の地位を承継した者が遅滞なく届け出る
④ 屋外貯蔵所において、貯蔵している重油を軽油に変更する場合は、10日前までに市長村長等に届け出る
⑤ 危険物施設保安員を選任した場合は、市町村長等に遅滞なく届け出る
1 ( ① ② ③ )
2 ( ① ② ④ )
3 ( ② ③ ④ )
4 ( ② ④ ⑤ )
5 ( ③ ④ ⑤ )
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解答
正解は3です。
① 誤り。この場合、「遅滞なく」ではなく「10日前までに」市長村長等に届け出ます。
② 記述の通りです。製造所等の位置、構造、設備の変更は、設置と同様に「許可」が必要です。
③ 記述の通りです。譲渡や引き渡しを「受けた側」が届け出るという点にも注意。
④ 記述の通りです。品名の変更にあたります。
⑤ 誤り。危険物保安監督者・危険物保安統括管理者については、選任後、遅滞なく市長村長等に届け出なければいけませんが、危険物施設保安員については届け出は不要です。定番の引っ掛けパターンの1つなので要注意。
問題23(市長村長等への届け出)
次の行為のうち、法令上、市町村長等に対して届け出をしなければならないものはいくつあるか
① 製造所等の予防規程を定めた
② 危険物施設保安員を選任した
③ 危険物保安監督者を選任した
④ 製造所等の就業規則を変更した
⑤ 製造所等の譲渡を受けた
⑥ 危険物取扱者を新たに採用した
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解答
正解は2つです。
① この場合、届け出ではなく、市長村長等の「認可」が必要です。
② 施設保安員の選任は届け出不要です。
③ 保安監督者・保安統括管理者の選任は遅滞なく市長村長等への届け出が必要です。
④ 届け出不要です。
⑤ 遅滞なく市長村長等への届け出が必要です。
⑥ 届け出不要です。
問題24(製造所等の手続き)
法令上、製造所等の申請手続きについて正しいものを1つ選べ
1 製造所等の位置、構造または設備を変更するときは、消防長または消防署長に許可を申請する
2 危険物保安統括管理者を選任したときは、市長村長等に遅滞なく届け出る
3 指定数量以上の危険物を製造所等以外の場所で10日以内の期間仮貯蔵するときは、市長村長等に承認を申請する
4 製造所等の位置、構造または設備を変更しないで取り扱う危険物の品名、数量または指定数量の倍数を変更したときは、市長村長等に遅滞なく届け出る
5 製造所等を廃止するときは、市長村長等に10日前までに届け出る
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解答
正解は2です。
1 申請先は「消防長または消防署長」ではなく、「市長村長等」です
2 記述の通りです
3 申請先は「市長村長等」ではなく「消防長または消防署長」です
4 「遅滞なく」ではなく「変更しようとする日の10日前までに」です
5 「10日前までに」ではなく「遅滞なく」です
申請先が「消防長または消防署長」なのは「仮貯蔵または仮取扱の承認」のみで、それ以外はすべて「市長村長等」です。また申請の種類が「承認」なのは「仮使用」「仮貯蔵・仮取扱」のみ、「認可」は「予防規程の作成・変更」のみです。届出の期限は、「品名、数量、倍数の変更」だけが「10日前まで」、それ以外は「遅滞なく」です。
問題25(仮使用の手続き)
法令上、製造所等の完成検査を受ける前に当該製造所等を仮使用するときの手続きとして正しいものを選べ
1 変更の工事が完成した部分ごとの使用について、市町村長等に許可申請をする
2 変更の工事に係る部分以外の部分の使用について、市長村長等に許可申請をする
3 変更の工事に係る部分以外の部分の全部又は一部の使用について、市町村長等に承認申請をする
4 変更の工事に係る部分以外の部分の全部又は一部の使用について、所轄消防長又は消防署長に承認申請をする
5 変更工事に係る部分の緊急使用について、所轄消防長又は消防署長に承認申請をする
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解答
正解は3です。
製造所等が変更の工事をおこなう場合、変更する部分については、新設時に検査を受けて使用を認められたものとは違うものになるわけですから、新たに検査をパスするまで使用が禁じられるのは当然です。しかし、変更工事に関係ない部分については、新設時の検査で使用を認められたものと変わらないわけですから、その使用を禁じる必然性はありません。一部の変更のために製造所等の全体が長期間使用できないとなると、当然業務は滞りますし、取引先等にも影響が及び、社会全体の利益にもなりません。そこで、きちんと手続きを踏むことを条件に、「変更に関係のない部分」については、完成検査を受ける前に使用することを認める、これが仮使用です。そして、「仮」がつくもの(仮使用、仮貯蔵および仮取扱)の申請の種類は「承認」であり、仮貯蔵および仮取扱以外の申請先は「市長村長等」ですから、この3つともが正しいものを探せば、答えはすぐに見つかります。
問題26(仮使用)
法令上、製造所等を仮使用するときに該当する手続きとして正しいものを選べ
1 屋内貯蔵所の一部の変更工事に伴い、変更工事に係らない部分を市町村長等の承認を受けて使用した
2 一般取扱所である変電所の変圧器に市町村長の承認を受けて、絶縁油を注油した
3 屋外タンク貯蔵所の変更工事のため、貯蔵されている灯油及び重油を貯蔵所内の空地に市町村長等の承認をうけて一時保管した
4 地下タンク貯蔵所の定期点検のため、タンク内に入っている重油を市町村長等の承認を受けて抜き取り、点検を行った
5 給油取扱所の専用タンクの定期点検のため、ガソリンを入れたまま窒素ガス等により圧力を加え検査を行った
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解答
正解は1です。
1 仮使用に該当する行為であり、手続きも正しいものです。
2 変更工事をおこなっていないので、仮使用ではありません。これだけで正答からははずれますので、問題解答上はそれ以上の考察は不要なのですが、参考までにもう少し説明を加えておきます。一般取扱所である変電所に設置されている機器に危険物にあたる油類を内蔵している場合、本来は当然、危険物関係法令の対象となりますが、消防庁発出の通知(昭和40年9月10日自消丙予発第148号消防庁予防課長通知)により、絶縁や冷却のために油類を内蔵する変圧器等については危険物関係法令の対象としないことになっています。また、そのような規制対象外の変圧器等について指定数量以上の危険物にあたる油類の入れ替えをおこなう場合は、許可を得た設備以外での一時的な取扱とみなされるため、「仮取扱」となります。問題文の事例はこれに該当し、「仮取扱」に必要な「消防長または消防署長の承認」を受けなければなりませんから、問題文中の「市長村長の承認」は誤りです。
3 この選択肢の事例は仮使用ではなく、「仮貯蔵」です。また仮貯蔵に必要なのは「消防長または消防署長の承認」ですから、「市町村長等の承認」は誤りです。
4 この選択肢の行為も仮使用ではありません。なお、危険物の貯蔵タンクから、指定数量以上の危険物を抜き取り、ドラム缶等に移し替える行為は「仮取扱」となるため、「市長村長等」ではなく「消防長または消防署長」の承認が必要です。また、抜き取った指定数量以上の危険物をドラム缶等の容器に収納して、許可外の場所で一時的に貯蔵する行為は「仮貯蔵」ですから、やはり「消防長または消防署長」の承認が必要となります。
5 この選択肢の行為も仮使用とは関係ありません。記述は貯蔵タンクの加圧試験についてのものですが、この場合、タンク・配管内の危険物はすべて抜き取ってから実施しなければいけないので、「ガソリンを入れたまま」というのは誤りです。なお、その際、貯蔵タンクから危険物を抜き取る行為は「仮取扱」、抜き取った危険物を許可外の場所で一時的に貯蔵する行為は「仮貯蔵」として「消防長または消防署長」の承認が必要であるのは上記の通りです。
問題27(製造所等の許可の取り消し)
法令上、市町村長等が製造所等の許可を取り消すことができる場合として、誤っているものを1つ選べ
1 変更の許可を受けないで、一般取扱所の構造及び設備を変更したとき
2 地下タンク貯蔵所の定期点検を実施していないとき
3 製造所に対する修理、改造命令に違反したとき
4 完成検査を受けることなく屋外タンク貯蔵所を使用したとき
5 危険物の貯蔵、取り扱い基準の遵守命令に違反したとき
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解答
正解は5です。
以下に該当する場合、市長村長等は、製造所等の設置の許可の取り消し、または、一定期間の使用停止命令の措置をとることができます(法第 12 条の 2 第 1 項)。
- 許可を受けずに、製造所等の位置・構造・設備を変更したとき
- 完成検査または仮使用の承認を受けずに製造所等を使用したとき
- 基準適合命令(製造所等の修理・改造・移転の命令)に違反したとき
- 政令で定める屋外タンク貯蔵所または移送取扱所が保安検査を受けないとき
- 定期点検の義務がある製造所等において、定期点検の実施、点検記録の作成・保存がなされないとき
いずれも、製造所等の設備や構造などハード面の基準適合性が担保されない場合です。このような場合、設置許可の前提が失われているので、許可そのものを取り消すことができるのです。ただし、取りうる措置は許可取り消しだけではなく、使用停止命令にとどめることもできます。どちらにするかは市長村長等の裁量の範囲です。
一方、以下の場合、市長村長等は、一定期間の使用停止命令の措置をとることができますが、製造所等の設置の許可の取り消しはできません(第 12 条の 2 第 2 項)。
- 危険物の貯蔵・取扱いの基準遵守命令に違反したとき
- 危険物保安統括管理者を選任していないとき、またはその者に必要な業務をさせていないとき
- 危険物保安監督者を選任していないとき、またはその者に必要な業務をさせていないとき
- 危険物保安統括管理者または危険物保安監督者の解任命令に違反したとき
いずれも製造所等の業務遂行、運用上のソフト面に問題がある場合です。これらの場合は製造所等のハード面の基準適合性に問題はなく設置許可の前提は維持されているため、許可そのものの取り消しはできず、使用停止命令しか出せません。箱物に問題はなく、その使用に問題があるだけなので、使用を止めることで危険性を取り除くわけです。
本問の場合、使用停止命令は1~5すべて出すことができます。一方、1~4は許可取り消しもできますが、5はハード面に問題はないため許可取り消しはできません。よって正答は5となります。
問題28(使用停止命令)
以下の①~⑤について、法令上、市町村長等が製造所等の使用停止命令を出すことができる場合に該当するものの組み合わせとして正しいものを1つ選べ
①定期点検を行わなければならない製造所等において、それを期限内に実施していない場合
②危険物施設保安員を定めなければならない事業所等において、それを定めていない場合
③危険物保安監督者を定めなければならない事業所等において、それを定めていない場合
④製造所等で危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者が、免状の書き換えをしていない場合
⑤完成検査を受けることなく製造所等を使用した場合
1 ① ② ③
2 ① ② ④
3 ① ③ ⑤
4 ② ③ ④
5 ③ ④ ⑤
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解答
正解は3です。
使用停止命令の対象となる場合については前問の解説を参照。
① 許可の取り消し、使用停止命令、いずれの措置も可能です。
② 不選任が使用停止命令の発令理由になるのは、保安統括管理者と保安監督者で、施設保安員を選任していなくても停止命令は出せません。そもそも施設保安員の選任は届出事項ではないので、選任しているかどうかを市長村長等が把握するすべもありません。
③ 前述のとおりこの場合は使用停止命令を出せます。
④ 当該危険物取扱者に対する免状返納命令の発令事由にはなりますが、製造所等に対する使用停止命令の発令事由にはなりません。
⑤ 許可の取り消し、使用停止命令、いずれの措置も可能です。
よって使用停止命令が出せるのは①③⑤の3つで、3が正答になります。
問題29(使用停止命令)
法令上、市町村長等が製造所等の使用停止命令を出すことができる場合に該当しないものを1つ選べ
1 危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者が、危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けていないとき
2 特定の製造所にあって定期点検を行わず、又はその記録の作製、保全を怠ったとき
3 製造所等の位置、構造又は設備を無許可で変更したとき
4 製造所の修理、改造又は移転の命令に違反したとき
5 危険物保安監督者を定めなければならない製造所等において、これを定めていないとき
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解答
正解は1です。
1 当該危険物取扱者に対する措置の対象であり、製造所に対する措置の発令事由にはなりませんので、使用停止命令を出すことはできません。
2・3・4 許可の取り消し、使用停止命令、いずれも可能です。
5 許可の取り消しはできませんが、使用停止命令は出せます。
問題30(製造所等の許可の取り消し)
法令上、市町村長等が製造所等の許可を取り消すことができる場合に該当するものを1つ選べ
1 特定の製造所等であって、危険物保安監督者を定めていないとき、または定めていても、その者に危険物の取扱作業に関する保安の監督をさせていないとき
2 製造所等の譲渡又は引渡しを受けて、その旨を届け出なかったとき
3 完成検査を受けないで製造所等を全面的に使用したとき
4 危険物の貯蔵、取扱基準の遵守命令に違反したとき
5 危険物保安監督者に対する解任命令に応じなかったとき
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解答
正解は3です。
1 使用停止命令は出せますが、許可の取り消しはできません。
2 届出を怠った場合、罰則の対象にはなりますが、使用停止命令や許可の取り消しの対象にはなりません。
3 許可の取り消し、使用停止命令、いずれも可能です。
4 使用停止命令は出せますが、許可の取り消しはできません。
5 使用停止命令は出せますが、許可の取り消しはできません。
問題31(修理・改造・移転の命令)
法令上、市町村長等が製造所等の修理、改造又は移転を命じることができるものを1つ選べ
1 移動タンク貯蔵所による危険物の移送方法が法令に定める基準に適合していないとき
2 製造所における危険物の貯蔵及び取り扱いの方法が法令に定める技術上の基準に適合していないとき
3 公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認められたとき
4 製造所等の位置、構造及び設備が法令に定める技術上の基準に適合していないとき
5 製造所等の位置、構造及び設備を変更しないで、貯蔵し、又は取り扱う危険物の数量を減少したとき
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解答
正解は4です。
修理・改造・移転の命令(製造所等の位置、構造及び設備の基準適合命令)を発令できるのは、製造所等の現状が修理・改造・移転の必要な状態である場合です(第 12 条第 2 項)。設備が基準に不適合であれば修理が必要ですし、構造が不適合であれば改造が、基準に適合しない場所に位置していれば移転が必要です。よって4の場合は修理・改造・移転命令の発令理由になります。
1・2 貯蔵・取扱基準遵守命令(第 11 条の 5 第 1 項・第 2 項)の発令事由になります。なお、出された貯蔵・取扱基準遵守命令にも遵わない場合は、市長村長等は使用停止命令を出すことができます(第 12 条の 2 第 2 項)。
3 製造所等の緊急使用停止命令の発令事由になります(第 12 条の 3 第 1 項)。通常の使用停止命令を出せるのは、製造所等のハード面やソフト面に一定の問題が確認された場合に限られます(問題27の解説参照)が、そのような場合でなくても、すぐに使用を停止しないと公共の安全が脅かされるような状況があり得るため、そのような場合に発令できるのが緊急使用停止命令です。
問題32(市町村長等の命令)
法令上、製造所等又は危険物の所有者に対して、市町村長等が発令することができる命令として、誤っているものを1つ選べ
1 製造所等の緊急使用停止命令
2 危険物施設保安員の解任命令
3 無許可貯蔵等の危険物に対する除去命令
4 危険物の貯蔵、取扱基準の遵守命令
5 予防規定変更命令
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解答
正解は2です。
1 正しい(第 12 条の 3 第 1 項)
2 解任命令が出せるのは、危険物保安監督者と危険物保安統括管理者についてであり、危険物施設保安員に対する解任命令は出せません(第 13 条の 24 第 1 項)。
3 正しい(第 16 条の 6)
4 正しい(第 11 条の 5 第 1 項・第 2 項)
5 正しい(第 14 条の 2 第 3 項)
問題33(法令違反と命令)
法令上、製造所等の法令違反と、それに対する市町村長等の命令の組み合わせとして正しいものを1つ選べ
1 危険物施設保安員を選任していないとき → 使用停止命令
2 製造所等の位置、構造及び設備が技術上の基準に違反しているとき → 危険物の貯蔵、取扱基準の遵守命令
3 危険物保安監督者がその責務を怠っているとき → 危険物の取扱作業の保安に関する講習の受講命令
4 危険物の流出その他の事故が発生したときに、所有者等が応急措置を講じていないとき → 応急措置命令
5 危険物の貯蔵又は取り扱いが技術上の基準に違反しているとき → 製造所等の位置、構造及び設備の基準適合命令
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解答
正解は4です。
1 使用停止命令の発令事由となるのは、「危険物保安監督者」または「危険物保安統括管理者」の選任義務に違反している場合であり、危険物施設保安員の不選任は対象になりません(第 13 条の 24 第 1 項)。施設保安員の選任は届出の義務もありません。
2 製造所等の位置、構造及び設備の基準適合命令(修理、改造又は移転命令)の発令事由です(第 12 条第 2 項)。
3 危険物保安監督者に対する解任命令の発令事由です(第 13 条の 24 第 1 項)。
4 正しい(第 16 条 の 3 第 3 項・第4項)
5 危険物の貯蔵、取扱基準の遵守命令の発令事由です(第 11 条の 5 第 1 項・第 2 項)。
問題34(丙種で取り扱える危険物)
法令上、製造所等において、丙種危険物取扱者が取り扱うことができないものを1つ選べ
1 引火性固体のうち、引火点0℃以上のもの
2 灯油
3 潤滑油
4 第3石油類のうち、引火点が130℃以上のもの
5 第4石油類
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解答
正解は1です。
1 丙種危険物取扱者が取り扱うことができるのは、すべて第4類に属する危険物です。引火性固体は第2類ですから引火点にかかわらず丙種では取り扱えません。「引火点0℃以上の引火性固体」は屋外貯蔵所で貯蔵できる危険物です。混同しないようにしましょう。
問題35(危険物取扱者以外による取り扱い)
法令上、危険物取扱者以外の者の危険物の取扱について、正しいものを1つ選べ
1 製造所等では、危険物取扱者の立ち合いがあれば、当該危険物取扱者の取り扱える危険物を、危険物取扱者以外の物が取り扱うことができる
2 製造所等では、危険物施設保安員の立ち合いがあれば、危険物を取り扱うことができる
3 製造所等では、危険物取扱者の立ち合いがなくても、指定数量未満であれば危険物を取り扱うことができる
4 製造所等では、第4類の免状を有する乙種危険物取扱者の立ち合いがあっても、第2類の危険物の取り扱いはできない
5 製造所等以外の場所であっても、指定数量の5分の1以上の危険物を取り扱う場合は、市町村条例に基づき危険物取扱者の立ち合いが必要である。
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解説
正解は4です。
1 誤り。甲種と乙種の場合は問題文の通りですが、丙種には立ち合いの権限はありません。
2 誤り。危険物施設保安員に立ち合いの権限はありません。
3 誤り。指定数量未満でも、製造所等では危険物取扱者以外の者が危険物を取り扱う場合は危険物取扱者の立ち合いが必要です。
4 正しい。類が異なっていても取り扱えるのであれば、類を分ける意味がありません。
5 誤り。そのような規制はありません。ただし、指定数量の5分の1以上を貯蔵、取り扱う場合は市町村条例の規制により届出が必要となります。この点は試験にはほとんど出ませんが実務上は重要です。
問題36(危険物取扱者免状)
法令上、危険物取扱者免状について、正しいものを1つ選べ
1 免状の種類には、甲種、乙種(第1類~第6類)及び丙種(第1類~第6類)がある
2 危険物取扱作業に従事する危険物取扱者は、移動タンク貯蔵所に乗車して危険物を移送している場合を除き、免状を携帯していなければならない
3 免状の交付を受けている者が、法又は法に基づく命令の規定に違反しているときは、市長村長等から免状の返納を命じられることがある
4 免状を亡失してその再交付を受けた者が、亡失した免状を発見したときは、これを遅滞なく、再交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない
5 免状の汚損又は破損により再交付の申請をする者は、申請書に当該免状を添えて提出しなければならない
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解答
正解は5です。
1 誤り。免状に第1類~第6類の区別があるのは乙種のみで、丙種にはそのような区別はありません。
2 誤り。免状の携帯が義務づけられているのは、移動タンク貯蔵所に乗車して危険物を移送しているときであり、その他の場合は免状携帯の義務はありませんので、問題文と逆です。
3 誤り。免状の返納を命じることができるのは市長村長等ではなく、免状を交付した都道府県知事です。
4 誤り。「遅滞なく」ではなく「10日以内に」です。
問題37(危険物取扱者免状の書き換え)
法令上、危険物取扱者免状の書き換えが必要な事項として、正しいものを1つ選べ
1 現住所が変わったとき
2 勤務地が変わったとき
3 氏名が変わったとき
4 免状の写真が5年を超えたとき
5 本籍地の属する都道府県を変えずに市町村を変えたとき
[解答の表示/非表示]
解答
正解は3です。
書き換えが必要なのは、
・氏名変更
・本籍地の属する都道府県変更
・免状の写真が10年経過
の3つの場合だけです。住所や勤務地、本籍地の市町村が変わっても書き換えの必要はありません。
問題38(危険物取扱者免状の再交付・書き換え)
法令上、危険物取扱者免状の再交付・書き変え手続きの申請先として正しい記述を1つ選べ
1 再交付は、免状を交付した都道県知事、又は居住地の都道府県知事に申請する
2 再交付は、免状を書き変えた都道府県知事、又は居住地の都道府県知事に申請する
3 書き変えは、免状を交付した都道府県知事、本籍地の都道府県知事、又は居住地の都道府県知事に申請する
4 書き変えは、免状を交付した都道府県知事、居住地の都道府県知事、又は勤務地の都道府県知事に申請する
5 書き変えは、本籍地の都道府県知事、居住地の都道府県知事、又は勤務地の都道府県知事に申請する
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解答
正解は4です。
1・2 誤り。再交付の申請先は「免状を交付した都道府県知事」又は「免状を書換えた都道府県知事」です。
3・5 誤り。書き変えの申請先は「免状を交付した都道府県知事」、「居住地の都道府県知事」又は「勤務地の都道府県知事」です。
問題39(危険物取扱者免状の返納)
法令上、免状の返納を命じることが出来る者は、次のうちどれか
1 勤務地のある市長村長
2 本籍地の市町村長
3 免状を交付した都道府県知事
4 免状を再交付した都道府県知事
5 勤務地のある都道府県知事
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解答
正解は3です。
交付と返納は対になる行為と考えれば、交付をした都道府県知事が返納を命じるというのは自然に理解できるでしょう。
問題40(保安講習の受講対象者)
法令上、危険物の取扱作業の保安に関する講習の受講対象者は次のうちどれか
1 すべての危険物取扱者
2 製造所等で危険物の取扱作業に従事しているすべての者
3 製造所等で危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者
4 危険物保安監督者及び危険物保安統括管理者
5 危険物保安監督者及び危険物施設保安員
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解答
正解は3です。
受講義務があるのは、危険物取扱者が危険物の取扱作業に従事している場合であり、危険物保安監督者や危険物保安統括管理者、危険物施設保安員であるかどうかは関係ありません。ただし、危険物保安監督者は危険物取扱者であってかつ作業に従事している者ですから、必ず受講義務を有します。一方、危険物保安統括管理者や危険物施設保安員は危険物取扱者とは限りません。
問題41(保安講習の受講義務)
危険物の取扱作業の保安に関する講習について正しいものを選べ
1 法令の規定に違反した危険物取扱者に対し、市長村長等が受講を命じる講習である
2 受講義務のある危険物取扱者は、原則として3年に1回受講しなければならない。
3 現に、製造所等において、危険物の取り扱い作業に従事していない者は、免状の交付を受けた日から10年に1回の免状の書換えの際に講習を受けなければならない
4 講習を受けなければならない危険物取扱者が、講習を受けなかった場合は、市長村長等から免状の返納を命ぜられることがある
5 製造所等で危険物を取り扱っていても、丙種危険物取扱者の場合は、受講が義務付けられていない
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解答
正解は2です。
1 誤り。保安講習は違反者に課せられる講習ではありません。
2 正しい。
3 誤り。そのような規定はありません。危険物の取り扱い作業に従事していなければ受講の義務はありません。
4 誤り。「市町村長等」ではなく、「免状の交付を受けた都道府県知事」です。
5 誤り。甲乙丙すべて受講の義務に違いはありません。
問題42(保安講習の受講時期)
免状の交付を受けた後3年間、危険物取扱い作業に従事していなかった者が、新たに危険物の取扱いに従事することになった場合、危険物の取扱作業の保安に関する講習の受講時期として、正しいものを選べ
1 従事を開始する前に受講しなければならない
2 従事することとなった日から1年以内に受講しなければならない
3 従事することとなった日から2年以内に受講しなければならない
4 従事することとなった日から3年以内に受講しなければならない
5 従事することとなった日から4年以内に受講しなければならない
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解答
正解は2です。
保安講習の受講サイクルは
- 原則:従事し始めた日から1年以内、その後は講習を受けた日以後の最初の4月1日から3年以内に受講
- 例外:従事し始めた日の過去2年以内に免状の交付か講習を受けた者は、その交付・受講日以後の最初の4月1日から3年以内に受講
問題文の例では、従事開始日の過去2年以内に免状の交付も講習も受けていないので、原則通り、従事し始めた日から1年以内に受講しなければなりません。
問題43(貯蔵の技術上の基準)
危険物の貯蔵の技術上の基準について、誤っているものはどれか
1 屋外貯蔵タンクに設けてある防油堤の水抜口は、通常は閉鎖しておかなければならない
2 屋外貯蔵タンクの元弁は、危険物を入れ、又は出すとき以外は、閉鎖しておかなければならない
3 地下貯蔵タンクの計量口は、計量するとき以外は閉鎖しておかなければならない
4 簡易貯蔵タンクの通気管は、危険物を入れ、又は出すとき以外は閉鎖しておかなければならない
5 移動貯蔵タンクの底弁は、使用時以外は閉鎖しておかなければならない
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解答
正解は4です。
通気管の役割はタンク内の圧力変化を防ぐことですから、常に開けておく必要があります。閉鎖してしまっては通気管の意味がありません。
4以外は記述の通りです。いずれも必要な時だけ開き、通常は閉鎖しておく種類のものです。
問題44(予防規程が必要な製造所等)
法令上、予防規程を定めなければならない製造所等として、次のA~Eのうち誤っているものを全て選べ。
A 製造所で指定数量の倍数が10以上のところ
B 屋内貯蔵所で指定数量の倍数が150以上のところ
C 屋外タンク貯蔵所で指定数量の倍数が10以上のところ
D すべての給油取扱所
E すべての一般取扱所
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解答
正解はCとEです。
C 正しくは「倍数が200以上」です。
E 正しくは「指定数量の倍数が10倍以上の一般取扱所」です。
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