今年もForbes誌がビリオネアリスト(10億ドル以上の純資産を持つ資産家のリスト)、いわゆる世界長者番付を発表しました。このニュースを聞くと春だなあと思いますね。昨年の記事につづいて、今年も野次馬根性でリストを見ていきます。


ビリオネア総数・総資産ともに減

昨年のリストでは、ビリオネアたちは新型コロナのパンデミックをものともせず、総資産額・総人数ともに大幅に増加し、結局金持ちは何が起きても儲け続けるのかとため息が出たものですが、今年はやや様相が異なります。


今年のビリオネアの人数は2668人で昨年より87人減、総資産額は12兆7000億ドルで昨年より4000億ドル減となりました。コロナ禍の長期化もさることながら、最大の要因は明らかにロシアによるウクライナ侵攻です。最も深刻な影響を受けているのは、当然のことながらロシア自身で、昨年より34人減の83人(昨年比71%)となりました。資産額を見ても、今年ランクインした83人のうち8割弱の64人が資産を減らしています。


昨年まで米国を猛追する勢いを見せていた中国(香港・マカオを含む。以下同じ)もまた、昨年より91人減の607人(昨年比87%)となりました。共産党政権による巨大企業たたきや米国による中国企業に対する規制強化などの影響が大きいと思われますが、貧富の格差拡大による不満の増大を恐れる共産党政権としてはむしろ思惑どおりなのかもしれません。ただし、経済の牽引役となるべき先端技術企業の成長が抑制されれば、将来にマイナスの影響を及ぼすことも確かです。


人数を減らした中露を尻目に、米国は逆に724人から735人に人数を増やして国別人数のトップを余裕でキープし、人数占有率は昨年の26.2%から27.5%に増加しています。中国はビリオネア全体の人数では国別2位をキープしましたが、人数占有率は昨年の25.3%から22.8%と顕著に下落し、後述のように上位50人で見た国別総資産額では3位に転落しています。今後もこの傾向が続くかどうかはわかりませんが、今年のリストに関しては米国のひとり勝ちの傾向が強まったように思えます。


日本人ビリオネアは昨年より8人減の40人となりました。日本人トップはファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井正氏で、2年ぶりにトップに返り咲きました。その資産額は261億ドル(昨年441億ドル)で世界54位(昨年31位)です。昨年日本人1位だった孫正義氏は資産額213億ドル(昨年454億ドル)で日本人3位、世界74位(昨年29位)に順位を落としました。日本人2位はキーエンス創業者の滝崎武光氏で、資産額239億ドル(昨年258億ドル)で世界61位(昨年62位)です。トップの柳井氏が54位ということでお分かりのとおり、今年の上位50人から日本人は姿を消しました。


ベゾス首位陥落、イーロン・マスクが1位に

では、今年も上位50人のリストに注目して見ていきましょう。


順位昨年順位名前関連年齢資産額(10億$)昨年資産額
12 ↑イーロン・マスクテスラ・スペースX米国50219 ↑151
21 ↓ジェフ・ベゾスアマゾン米国58171 ↓177
33 →ベルナール・アルノーLVMHフランス73158 ↑150
44 →ビル・ゲイツマイクロソフト米国66129 ↑124
56 ↑ウォーレン・バフェットバークシャー・ハサウェイ米国91118 ↑96
68 ↑ラリー・ペイジグーグル米国49111 ↑91.5
79 ↑セルゲイ・ブリングーグル米国48107 ↑89
87 ↓ラリー・エリソンオラクル米国77106 ↑93
914 ↑スティーブ・バルマーマイクロソフト米国6691.4 ↑68.7
1010 →ムケシュ・アンバニリライアンス・インダストリーズインド6490.7 ↑84.5
1124 ↑ゴータム・アダニアダニ・グループインド5990 ↑50.5
1220 ↑マイケル・ブルームバーグブルームバーグ米国8082 ↑59
1316 ↑カルロス・スリムテレフォノス・デ・メヒコメキシコ8281.2 ↑62.8
1412 ↓フランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズロレアルフランス6874.8 ↑73.6
157 ↓マーク・ザッカーバーグメタ(フェイスブック)米国3767.3 ↓97
1618 ↑ジム・ウォルトンウォルマート米国7366.2 ↑60.2
1713 ↓鍾睒睒農夫山泉(飲料水)中国6765.7 ↓68.9
1817 ↓アリス・ウォルトンウォルマート米国7265.3 ↑61.8
1919 →ロブ・ウォルトンウォルマート米国7765 ↑59.5
191664 ↑チャンポン・ジャオ(趙長鵬)バイナンスカナダ44 65 ↑1.9
2127 ↑チャールズ・コークコーク・インダストリーズ米国8660 ↑46.4
2128 ↑ジュリア・コークコーク・インダストリーズ米国5960 ↑46.4
2311 ↓アマンシオ・オルテガインディテックス(ザラ)スペイン8659.6 ↓77
2430 ↑マイケル・デルデル米国5755.1 ↑45.1
2539 ↑張一鳴ByteDance(TikTok)中国3850 ↑35.6
2633 ↑デイヴィッド・トムソントムソンカナダ6449.2 ↑41.8
2725 ↓フィル・ナイトナイキ米国8447.3 ↓49.9
2838 ↑ディーター・シュワルツシュワルツグループドイツ8247.1 ↑36.9
2952 ↑曽毓群(Robin Zeng)寧徳時代新能源科技(CATL 香港)中国5344.8 ↑28.4
3022 ↓マッケンジー・スコットアマゾン米国5143.6 ↓53
31203 ↑ロドルフ・サーデCMA CGM(海運)フランス5241.4 ↑10.9
3232 →フランソワ・ピノーケリング(サンローラン、グッチなど)フランス8540.4 ↓42.3
3358 ↑クラウス=ミヒャエル・キューネキューネ・アンド・ナーゲル(物流)ドイツ8437.3 ↑26.3
3415 ↓馬化騰テンセント中国5037.2 ↓65.8
3534 ↓ベアテ・ハイスター&カール・アルブレヒトJr.アルディドイツN/A36.8 ↓39.2
3640 ↑ジョヴァンニ・フェレロフェレロイタリア5736.2 ↑35.1
3743 ↑李嘉誠(Li Ka-shing)長江実業グループ(香港)中国9334.8 ↑33.7
3779 ↑スティーブン・シュワルツマンブラックストーン(投資業)米国7534.8 ↑21.9
3947 ↑李兆基(Lee Shau Kee)恒基兆業地産(不動産開発・香港)中国9432.6 ↑31.7
4046 ↑レン・ブラバトニックアクセス・インダストリーズ(投資業)米国6432.5 ↑32
4148 ↑ジャクリーン・マースマース(食品メーカー)米国8231.7 ↑31.3
4148 ↑ジョン・マースマース(食品メーカー)米国8631.7 ↑31.3
4341 ↓アラン・ヴェルテメールシャネルフランス7331.2 ↓34.5
4441 ↓ジェラール・ヴェルテメールシャネルフランス7131.2 ↓34.5
4561 ↑ジェルマン・ラレア・モタ・ヴェラスコグルーポ・メヒコメキシコ6830.8 ↑25.9
4670 ↑ジーナ・ラインハートハンコックプロスペクティング(鉱山開発)オーストラリア6830.2 ↑23.6
4771 ↑シブ・ナダールHCLテクノロジーズ(ソフトウェア)インド7628.7 ↓23.5
4868 ↑ジム・サイモンズルネッサンステクノロジーズ(ヘッジファンド)米国8328.6 ↑24.6
4937 ↓何享健美的集団(ミデアグループ:空調・家電)中国7928.3 ↓37.7
5036 ↓ミリアム・アデルソンラスベガス・サンズ米国7627.5 ↓38.2


今年の話題はなんといっても首位交代でしょう。昨年まで4年連続トップをキープしていたアマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏が2位に転落し、昨年2位のイーロン・マスク氏がトップに立ちました。マスク氏は一昨年31位から昨年2位に急上昇していましたが、その勢いは衰えることなく一気にトップの座を奪ったかたちです。資産額も、一昨年246億ドルから昨年1510億ドル、今年は2190億ドルと、まさにうなぎのぼりです。”E(e)l"on Muskだけに、なんつって。(※eel:ウナギ)


トップ10の顔ぶれは代わり映えしませんが、昨年7位だったメタ(フェイスブック)創業者マーク・ザッカーバーグがトップ10から転落して15位になり、かわりに昨年14位だったマイクロソフト元CEOのスティーブ・バルマーが9位に上昇してトップ10に入りました。


ためしに今年のトップ10人とザッカーバーグ氏の直近3年の資産額推移をグラフにしてみました。

グラフにするとイーロン・マスク氏の資産急増の勢いが一目瞭然です。まさにうなぎのぼり、"E(以下略)


この勢いを維持できれば、「人類史上最大の富豪」ジョン・D・ロックフェラー(→「2020年版世界長者番付と人類史上最大の富豪」)を追い抜くのも現実味を帯びてくるように思えますが、来年以降どうなるでしょうか。


今年もトップ50の国別ランキング

今回も、一昨年、昨年同様に、トップ50に入ったビリオネアの国別人数を算出して、グラフにしてみます。

  1. 米国  24人 (昨年23人)
  2. 中国  7人 (昨年12人)
  3. フランス 6人 (昨年5人)
  4. インド 3人 (昨年2人)
  5. ドイツ 3人 (昨年2人)
  6. メキシコ 2人 (昨年1人)
  7. カナダ 2人 (昨年1人)
  8. スペイン 1人 (昨年1人)
  9. イタリア 1人 (昨年1人)
  10. オーストラリア 1人 (昨年0人)

次に、トップ50の国別資産総額のランキングをまとめると、以下のとおり。

  1. 米国  1兆8510億ドル (昨年1兆6532億ドル)
  2. フランス 3770億ドル (昨年3349億ドル)
  3. 中国  2934億ドル (昨年5122億ドル)
  4. インド 2094億ドル (昨年135億ドル)
  5. ドイツ 1212億ドル (昨年761億ドル)
  6. カナダ 1142億ドル (昨年418億ドル)
  7. メキシコ 1120億ドル (昨年628億ドル)
  8. スペイン 596億ドル   (昨年770億ドル)
  9. イタリア 362億ドル   (昨年351億ドル)
  10. オーストラリア 302億ドル   (昨年0)

昨年と比べると、中国が人数・総資産額ともに大きく減少し、その分を他の国が分け合うかのように少しずつ増加しています。ただし、昨年人数で4位、総資産額で5位だった日本だけはトップ50から姿を消してしまいました。


結果として、中国は人数ランキングでは2位をなんとかキープしたものの、総資産額ランキングではフランスに抜かれて3位に順位を落としました。これに対し、米国は人数・総資産額ともにトップ50内での占有率をじわり増加させました。総資産額で見ると、昨年は2位の中国の3倍程度でしたが、今年は2位のフランスの5倍程度となり、2位以下との差が大きくなりました。


昨年の予想の答え合わせ

昨年のこの記事では、最後に今年のランキングのトップ10を予想しました。いちおう答え合わせをしておこうと思います。


予想正解
1ジェフ・ベゾスイーロン・マスク
2ベルナール・アルノージェフ・ベゾス
3イーロン・マスクベルナール・アルノー
4マーク・ザッカーバーグビル・ゲイツ
5ビル・ゲイツウォーレン・バフェット
6ラリー・ペイジラリー・ペイジ
7セルゲイ・ブリンセルゲイ・ブリン
8ラリー・エリソンラリー・エリソン
9ウォーレン・バフェットスティーブ・バルマー
10アマンシオ・オルテガムケシュ・アンバニ


6・7・8位が正解でした!!


・・・・地味な結果だなあ。いっそのこと全部はずれたほうがネタになったのに。


これに懲りて来年の予想はやめておきます。


追記(2022.04.17)― 日本人ビリオネア

上述しましたが、今年のビリオネアリストに入った日本人は40人ですが、トップ50からは姿を消しました。今年の世界長者番付に載った日本人40人のリストを作成しておきます。


順位昨年順位氏名関連年齢資産額(10億$)昨年資産額
15431柳井正ユニクロ7326.144.1
26162滝崎武光キーエンス7623.925.8
37429孫正義ソフトバンク6421.345.4
4398311高原豪久ユニ・チャーム606.47.9
5490274永守重信日本電産775.48.7
6536391三木谷浩史楽天575.16.7
7622727伊藤 雅俊セブン&アイ974.64
8539728似鳥昭雄ニトリ7845.2
9801727森章森トラスト853.74
10851727野田順弘オービック833.54
11951574重田康光光通信573.24.9
121012752三木正浩ABCマート6633.9
1310531111宇野正晃コスモス薬品752.92.8
141163665安田隆夫ドン・キホーテ722.74.3
151238956襟川陽一・恵子コーエーテクモ-2.53.2
1612921362多田勝美大東建託762.42.3
1714451570荒井正昭オープンハウス562.12
1714451362栗和田榮一佐川急便752.12.3
1714451205大塚 裕司大塚商会682.12.6
2015791664前澤友作Zozo461.91.9
2116451580福嶋康博エニックス741.82
2218181833‎上月景正コナミ811.61.7
2218181750岡田和生ユニバーサルエンターテインメント791.61.8
221818-柴原慶一アムビス571.6-
251929-中谷忠子シスメックス-1.5-
2519291931小川賢太郎ゼンショー731.51.6
2721901931藤田晋サイバーエージェント481.31.6
2721902263森佳子森ビル811.31.3
2721902378里見 治セガサミー801.31.2
2721902141島村 恒俊しまむら961.31.4
3123242263佐治 信忠サントリー761.21.3
3123242524田中良和グリー451.21.1
3324482263新井隆二ビックカメラ751.11.3
3324482524福武總一郎ベネッセ761.11.1
332448-南壮一郎ビズリーチ451.1-
332448-吉田嘉明DHC811.1-
3725782524石橋寛ブリヂストン7511.1
372578-丹下大Shift471-
3725781931和田成史オービック6911.6
3725781444山田進太郎メルカリ4412.2


40人の資産額合計は1545億ドル。名だたる企業の経営者や創業者あるいはその親族の方々が名を連ねていますが、多くが資産を減らしており、資産額が増加したのは11人のみでした。


追記の追記

上ではトップ50人だけに絞ってデータを分析してありますが、全ビリオネア(2668人)を対象にしたデータも以下にまとめておきます。

ビリオネアの国別人数

  1. 米国  735人
  2. 中国(香港・澳門含む) 607人
  3. インド 166人
  4. ドイツ 134人
  5. ロシア 78人
  6. カナダ 65人
  7. ブラジル 62人
  8. イタリア 52人
  9. 台湾     51人
  10. 英国     50人

米中両国の占める割合はほぼ半分、トップ50人に絞った場合より米中以外の国の割合が多くなります。言い換えれば上位ほど米中の割合が大きくなるということです。10位英国のあとには、オーストラリア(46人)、スウェーデン(45人)、フランス(43人)、スイス(41人)、韓国(41人)と来て、その後が日本(40人)です。


ビリオネアの国別資産総額

全ビリオネアについて、国ごとに資産額を合計すると、トップ50人に限定した場合とは順位がかなり変わります。

  1. 米国  4兆7011億ドル
  2. 中国(香港・澳門含む) 2兆3478億ドル
  3. インド 7498億ドル
  4. ドイツ 6080億ドル
  5. フランス 5500億ドル
  6. カナダ 3126億ドル
  7. ロシア 2910億ドル
  8. オーストラリア 2071億ドル
  9. 英国   2001億ドル
  10. イタリア 1945億ドル

トップ50人では2位だったフランスは5位に落ち、2位は中国となります。全体に占める米国の割合はトップ50人限定の場合よりも減りますが、それでも2位中国の2倍以上、全体の36%を占めて圧倒的1位です。10位イタリアの後は、ブラジル(1867億ドル)、スイス(1819億ドル)、スウェーデン(1657億ドル)、メキシコ(1609億ドル)、日本(1545億ドル)と続きます。


ビリオネアの業種分析

トップ50人のデータでは行わなかった業種の分析もしてみましょう。全ビリオネアについて、業種別の人数と総資産額をまとめると以下のようになります。



「テクノロジー」「金融・投資」「ファッション・小売」「製造業」あたりが大きな割合を占めています。現代社会においてお金が集まりやすい業種ともいえるでしょうし、あるいは一部の富豪にお金が集まりやすい業種ともいえるのかもしれません。

では、それぞれの業種において、国別にビリオネアの資産額をまとめると、どうなるでしょうか。上に挙げた4つの業種で見てみましょう。

まずはテクノロジー。経済的にも軍事的にも世界の覇権を左右する分野ですが、予想通り米国が65%を占める圧倒ぶりで、2位の中国の4倍以上です。ただし2位中国も3位以下に大差をつけており、米中両国で8割を超えます。さらに上位10ヶ国では96%にまで及び、テクノロジー分野が生み出す富が世界のごく一部の国に集中していることがわかります。残念ながらというべきなのか、日本は上位10ヶ国に入っていません。


金融・投資の分野でも米国の独り勝ちは変わりません。2位のカナダの12倍近くという圧倒ぶりです。カナダに次ぐ3位には英国が入り、いわゆるアングロ・サクソン勢が牛耳る分野というイメージを裏付ける格好となっています。中国は4位に甘んじており、しかも香港を除けば10位相当になります。

他の分野と少し様相が異なるのが、ファッション・小売分野です。米国はここでも1位ではありますが、シェアは30%と圧倒的ではなく、2位のフランスが21%で米国に拮抗し、3位のドイツが11%で続きます。中国は上位3国に大きく水をあけられての4位です。ことにファッション分野のブランド力は一朝一夕に構築できるものではないので、欧米勢に一日の長があるのでしょう。この分野では日本が7位に入っています。ユニクロの柳井氏(世界54位)の存在が大きいことは言うまでもありません。


製造業分野では、中国が「世界の工場」の面目躍如で、2位米国の5倍以上という圧倒的な1位を確保しています。ただし、チャイナリスクが広く認識され、製造拠点を中国から他国へ移す傾向が強まるなかで、中国の製造業ビリオネアたちが今後もその地位を維持できるかどうかは不透明です。なお、この分野では日本は9位に入っています。キーエンスの滝崎氏(世界61位)の存在が大です。

国ごとのビリオネア業種分析

以下では、各国における業種ごとのビリオネア資産合計額をレーダーチャートにして見てみましょう。

まずは米国です。

「テクノロジー」と「金融・投資」の存在感が圧倒的すぎて他の分野が目立ちませんが、「ファッション・小売」「食品・飲料」に加え、ハリウッドを擁する映画大国だけあって「メディア・エンターテインメント」でもビリオネアたちが大きな富を手にしていることがわかります。

次は中国です。

「世界の工場」だけあって「製造業」「テクノロジー」「自動車」が目立っていますが、巨大な人口を支える「食品・飲料」「ヘルスケア」も存在感を示しています。「不動産」に関してはバブルの側面が大きいと思われます。

次はフランス。

フランスについては一目瞭然で、「ファッション・小売」がひとつだけ突き抜けています。まさにファッション大国というべきでしょう。

そしてロシアです。

これもまた一目瞭然で、「エネルギー」「金属・鉱業」の2つが突き抜けています。つまり天然資源に大きく依存した経済構造を反映しており、政権とのコネによって利権を手にした資源ビリオネアたちが富を独占している様子が見て取れます。